タイ北辺-3 ~ビルマ国境と少数民族の村
2007年10月12日
昼食後、メーサーイへと移動する。
ここは、ビルマとの国境の街である。
メーサーイのビルマ国境。橋の向こうがビルマ
10米ドル支払ってパスポートにスタンプを押してもらえば、国境から5kmの範囲内を1日だけ歩き回ることができるということだったが、ちょっと見るだけの入国ならナンセンスだ。私は国境を見るだけで十分っだった。タイ側国境ゲート右側のわき道から「ビューポイント」に進み、川に架かる国境の橋と、その先にあるビルマの国境ゲート及び寺院を目で楽しむ。
シンガポール―マレーシア―タイと渡り歩いてきた当初から思っていたが、東南アジアの国境は非常にあっさりとしている。島国・日本で生まれ育ったからなのか、"国境"というものはなかなかイメージとしてまとまりにくい。
最後に、私が一番楽しみにしていた場所へと移動する。
タイといえば、辺境に住む少数民族も一つの“顔”である。今回は、アカ族とカレン族の里を訪れた。
アカ族の村
少数民族の村といえばすぐに連想できるものがやはり、私たちを出迎えた。土産屋である。しかし、そんなに「買え買え」としつこくもなく、写真も快く撮らせてくれる。
入り口近辺にいるのは、アカ族である。民族衣装に身を包み、年配の女性になるとお歯黒が印象的な民族である。
もう一つのカレン族は、アカ族の村から更に山道を下った所にあった。
カレン族は身体的な特徴が際立っている民族である。耳の長い者、耳に大きく穴のあいている者…。
しかし、一番有名なのは、首にコイルを巻いた、首の長い女性…。
首長族の女性
そう。カレン族の一部で、「首長族」と呼ばれている女性たちである。
首の長さを際立たせるための金属のコイルを手にさせてもらったが、かなり重く、片手で持つのが厳しいくらいだ。これを日常的に首に巻いているのだから恐れ入る。
彼女たちも、快く写真撮影に応じてくれる。少数民族であることを武器にして写真を撮っただけで金を要求してくる観光地ずれしている者も多い昨今にあっては、こうした素朴さを残す民族を見ていると、心が心底洗われる思いがする。或いは、「これが自分たちの生きる道」と受け入れているということなのだろうか。
チェンマイに戻る頃には、午後9時近くになっていた。
少々疲れたが、タイのいろいろな顔を見ることができ、十分満足のいく一日だった。
ビールでも買おうかと近くのコンビニエンスストアに行くと、ゲストハウスで知り合った女性たちがいた。
「今晩は! お買い物ですか?」
「うん、ビールでも…」
「あ、このあたりはビールよりもウイスキーの方が安上がりですよ」
いい情報を教えてもらい、ウイスキーを買うことにした。
「今日は日帰りでゴールデン・トライアングルに行ってきました」
と私が言うと、
「え、ゴールデン・トライアングルって日帰りで行けるんですか?」
と驚きの様子だった。私はツアー参加で日帰りで済ますことができたが、どうやら個人で行くとなると泊りがけは避けられないようである。
[※]筆者は抑圧的軍事政権によって変更された「ミャンマー」の国名を認めない立場にある。
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