バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第7部 マレー半島、タイ

ムラカ-2 ~歴史を語る博物館

2007年9月26日

朝8時半、起床…。
どうも東南アジア入りしてから朝が遅い。まだ時差ボケ気味である。

朝食をとりに歩いていると、繁体字中国語で書かれたビラを配っている人々がいた。
中国当局に"カルト宗教"呼ばわりされて弾圧を受けている気功団体・法輪功だった。
中国国外における華人コミュニティのある街ということで、ここも彼らの活動拠点の一つとなっているのだろう。

朝食を終えて宿に戻ると、熱帯の地域らしい激しいスコールで、表に出ることができなくなってしまった。
午後になってようやく雨が上がり、ムラカ(英語名マラッカ)の街に出る。

前回も書いたように、ムラカには16世紀以来の歴史ある建造物が幾つもあるが、中には博物館として利用されているものもある。私はその中の2つを訪れてみた。
マラッカ・スルタン・パレス
マラッカ・スルタン・パレス
スタダイズ
スタダイズ(裏側から)

最初に訪れたのは、マラッカ・スルタン・パレス。名前の通り、かつてのスルタン(イスラム教の政治指導者)の宮殿である。建物自体は近年になって復元されたものだが、堂々たる風格のマレーシアらしい木造建築物で、当時のスルタンの権勢を窺い知ることができる。
内部は文化博物館となっており、マレーシアの貿易の歴史やマレーシアの民族衣装、そして当時のスルタンの生活の様子などが展示されている。

2つ目は、ムラカ・キリスト教会に隣接するスタダイズ。ここはオランダ総督らの家として使われていた建築物である。
内部は歴史・民族誌学博物館となっている。1階部分は民族誌学博物館で、食・住・音楽などの方面におけるマレーシアの文化に関する展示がなされている。2階部分は歴史博物館で、海洋都市としてのマラッカの歴史、中国の宦官・鄭和の来訪、そしてオランダ、イギリス、日本による支配と独立の歴史などに関する展示が行われていた。

いずれも充実した展示で、マレーシアを知ることの一助となった。 このほかにも、大きな船のオブジェがある海の博物館も訪れたかったが、改装中で一部の展示しか見ることができないようだったので、ここはそのまま素通りした。
マラッカ海峡
ムラカの町並みの向こうに見えるマラッカ海峡

博物館巡りの途中、セント・ポールの丘に上ってみた。天気が良くなってきて、昨日よりもいい景色が眺められそうだったからだ。
茶色がかった赤で揃えられた三角屋根に白や明るい彩色の壁 ―― ムラカの町並みの向こうに、果たして、昨日よりもくっきりとマラッカ海峡の水平線が見える。
この海が、ムラカの歴史を、街をつくってきたのだ。そして、この海の向こうから来た勢力に、ムラカは翻弄されもしてきたのだ。

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