バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第6部 北インド

バラナシ-5 ~ガンガークルーズ

2007年9月9日

5時半、ヨージ・ナナ夫妻を含む同じ宿の日本人4人と乗り合わせて、手漕ぎボートで朝のガンガー(ガンジス川)クルーズに繰り出す。

東の空に見事な朝日。その朝日が、ガンガー西岸を照らす。
舟は、私たちが泊まっている宿のちょうど裏にあるアハイリア・バイ・ガートを出発して、上流へと向かう。ガンガーの流れは速く、オールを握る舟漕ぎの腕にかかる負荷も半端ではなさそうである。

ガンガー河畔 ガートや建物が並ぶガンガー河畔

ガンガー西は、バラナシの中心街。そしてその河畔には、バラナシを象徴する風景 ―― 即ち、ヒンドゥー建築とガート(沐浴場)が並ぶ。ガートでは言うまでもなく、人々がゆったりとした時間の流れの中、沐浴をしている。 沐浴する人
沐浴する人
ケダル・ガート
ケダル・ガート

赤と白の縞模様、そして神々の像が印象的なケダル・ガートを過ぎると、煙の立っているガートが見える。火葬場として使われている、ハリシュチャンドラ・ガートだ。バラナシのヒンドゥーが天へと返される場所の一つである。

舟はここでUターンし、下流へと向かう。今度は舟漕ぎも楽そうだ。

アハイリア・バイ・ガート、そしてメイン・ガートとも呼ばれるダシャシュワメード・ガートを過ぎ、再び岸に煙が立つ風景が目に入ってくる。
バラナシの火葬場と言えば、やはりここ ―― マニカルニカー・ガートである。先ほどのハリシュチャンドラ・ガートよりも規模が大きく、積まれている薪の数も多い。
ここで荼毘に付された遺骨は、ガンガーへと流される。
先ほど、火葬によって「バラナシのヒンドゥーが天へと返される」ということを書いたが、ここでふと思った。
ここで荼毘に付された遺体の魂は、果たして天へと返るのだろうか。
それとも、彼らの魂の行き先は、やはり聖なるガンガーなのだろうか。

注意!
火葬場ガートは撮影禁止。それどころか、火葬の煙が写真に入るだけでもタブーに違反する。うっかりでも撮影すればリンチに遭うことすらある。

ダシャシュワメード・ガート
ダシャシュワメード・ガート
再びUターンしてダシャシュワメード・ガートを通過する。 その手前で、係留されているボートの横に何か大きなものがプカプカ浮いているのが目に入った。

牛の死体

生々しいものを見てしまったが、この程度のものを目にする覚悟が無いとガンガークルーズには参加できない。何しろ、荼毘に付されることなく川に返された人(低カーストの者や、悟りを開いた修行者がそうされる)の遺体が川面に浮かび上がったり岸に打ち上げられたりしているのが見えることすらある(らしい)のだから。

アハイリア・バイ・ガート戻り、ガンガークルーズが終了する。それから暫く、ヨージ・ナナ夫妻とガートをぶらぶらしていたが、ダルバンガー・ガートあたりに来たところで、ヨージが言う。
「沐浴してきます!」
と、ガンガーの水の中にずんずん入って行き、ついには足のつかない所まで行って立ち泳ぎ状態に。ナナも恐る恐る(かなづちだということを後で知った)その後に続き、ヨージを浮き袋代わりにガンガーに浮かぶ。そして最後には…
頭の先までディープに沐浴
水面に出てきた彼らの表情はとても満足げだった。

当時のヨージ・ナナ夫妻のブログ

「カズさんはやらないんですか?」
とのお誘いを受けたが、ほんの数日前まで下痢→胃痛に苦しんでいた私はどうしても肛門までガンガーに水没させる気にはなれず、膝までつかって手でガンガーの水をすくう程度でお茶を濁した。

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