バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第6部 北インド

ダラムサラ-6 ~ティーチング2日目、チベット医学

2007年9月4日

午前はやはり胃の調子が悪く、ティーチングは欠席。これまでの旅で医者知らずだった私もとうとう限界。医者に診てもらうことにした。
最初はアキに教えてもらった、山を下った所にあるという医院を目指したが、具体的な場所が分からなかった上に名前もど忘れしてしまい、見つけることができずに引き返す。マクロードガンジ中心部にある小さなクリニックに入る。
チベット人女医に電子辞書を使いながら英語(ダラムサラでは英語教育が徹底されている)でこれまでの症状の経緯を話す。すると女医は私の脈をとり終わると「分かりました。薬を出します」と言う。
おい、聴診器も使わずに脈をとっただけで終わりか?とその時は思ったが、処方してもらった薬をのむと先ほどの胃痛が嘘のように和らいでいった。これで診察料・薬代は僅か30Rs。海外旅行保険を使うのも馬鹿馬鹿しいほど安く済んだ。
後から知ったのだが、チベット医学では脈診が極めて重視されているのだ。脈は体を巡るルン(風。日本で言う"気"に近い)の通り道であり、その流れを読むことで健康状態を診るという。

チベット医学のお陰ですっかり元気になった私は、午後からティーチングに参加した。

今回のテーマは仏教の「慈悲」や「瞑想と空(くう)」など。偶然にも日本語通訳のすぐ前に席を取ることができ、前日よりはお話を理解することができたものの、それでも高度な内容にはまだまだ着いていくことができなかった。
途中、お茶とパンが参加者たちに振舞われる。昨日午前にも行われたが、その時のお茶はバター茶で今回はミルクティー。どうやら午前はバター茶、午後はミルクティーと決まっているらしい。法王からの授かりものをありがたく頂戴する。
最後に、法王は翌日午前の最終回についてお話になった。
「明日は戒律を授け、観音菩薩の灌頂(かんじょう)を授与するという儀式がメーンとなる。仏教徒以外の方も話を聞く分には構わないが、儀式は信者の方だけとさせていただきたい」
そう。今回は単なる講演ではなく仏教の教えを在家信者に説くというのが主な目的なのだ。私は仏教に関心を持ち始めたとはいえ、まだまだ信者を自称するなどおこがましい。しかしお話を聞くだけならと、明日の午前も出席することにした。
昨日と同じように、法王様が退場していく。今回は昨日よりも前の方に陣取ったお陰で、法王のお姿をより間近に拝謁させていただくことができた。
パンの残骸
猿に食い散らかされたパンの残骸

帰り道に雨にたたられつつ宿に戻ると、新しく同室になったタケシが
「窓を開けっ放しにしていたら猿が入ったみたいで…パンを食べられてしまいましたよ」
と言う。テーブルの上を見ると、私がここ2日ほど朝食・夕食に食べていた食パンの残りが無残に食い散らかされて耳だけになってしまっている。ネパールといいインドといい、猿には要注意である。
まだ結構残っていたので勿体無かったが、これで猿が一匹今日という日を食いっ逸れることなく過ごすことができたのだと仏教的な慈悲の心で諦めるしかない。

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