ダラムサラ-1 ~山の上の小さな村
2007年8月30日
前日デリーを出発した列車はこの日早朝、インド北西部のチャッキ・バンクに到着した。
目指していたのはダラムサラだったが、そこまでは鉄道が通っていないのでパタンコットもしくはチャッキ・バンクで列車を下りてバスに乗り換えて向かうことになる。
チャッキ・バンク駅からはバスが出ていないので、リキシャ等でバスターミナルへ移動することになるが、駅舎の外に出ると早速、「ダラムサラへ行くのかい?」とリキシャワラーが声をかけてくる。このへんでバックパックを背負った旅行客といえば行き先はダラムサラと決まっているのだ。30Rsでバスターミナルに行ってもらう。
ダラムサラ行きのローカルバスには大勢の西洋人が乗っていた。間違い無く、目当ては私と同じだろう。
ダラムサラはインド北西部の山間部に位置する。低い位置にあるロウアー・ダラムサラと、それより高い場所にあるアッパー・ダラムサラ(一般的にマクロードガンジと呼ばれる)に分かれていて、ツーリストが集まるのはマクロードガンジの方である。バスはロウアー・ダラムサラに立ち寄った後、ツーリストや赤い袈裟をまとった僧侶などを乗せてマクロードガンジへと向かった。
急な山道なのでバスはすこぶるのんびりと走る。チャッキ・バンクを出発してから5時間後の昼すぎ、ようやくマクロード・ガンジに到着した。
ダラムサラの街の第一印象は、「小さい」ということ。
ダラムサラの街中。これでも目抜き通りである
これまでインドで回ってきたのがデリー、アムリトサル、アーグラー、ジャイプルといった大都市ばかりだったのでなおそう感じられたが、街というよりは"村"であり、規模的にはパキスタン・フンザのカリマバードと同程度といったところか。目抜き通りも幅数メートル程度しかない。上記のインド諸都市の喧騒が嘘のように、のどかな場所だ。
それから、坂道が多いということ。山の上の村なので当然なのだが、バックパックを背負った状態だと上りは勿論、下りもかなり歩きづらい。
そしてもう一つあるのだが、それについては後述する。
宿はTokyo Hotelというところに目を付けていたが、地図の場所に行ってもそれらしきものが見つからない。メーンストリートに戻ったところで、
「どこへ行くのですか?」
と、道端で現地の人と一緒に座っていた日本人女性に声をかけられた。
「Tokyo Hotelです」
「あ、Tokyoはもう無くなっちゃいましたよ。今日本人宿になっているのはLung-Ta House(以下『ルンタ』)ですね」
ありがたい情報をいただいた。私は教えられたルンタに向かい、そこのドミトリー(50Rs)をダラムサラでのねぐらに決めた。
ルンタは1階に日本料理レストラン(ベジタリアン料理のみだが)があることから、先ほどの女性の言葉通り、ダラムサラの新たな日本人宿となっていた。私が入ったドミトリーの部屋にもアキという若い日本人男性がいて、彼と暫く話し込んだ。
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