凱裏 ~ミャオ族の風情
2007年6月8日
北京からの列車は石家荘、安定、鄭州、岳陽、長沙と、私が2週間かけて辿った道を一気に26時間で南下して行く。
貴州省に入った辺りから地形が山がちになり、トンネルが多くなる。谷あいに古めかしい集落も時折目に入るようになってきた。
18時ごろ、目的地の凱裏に到着。この日は街中で宿を決め、周囲一帯の地図を買うだけに終わる。
2007年6月9日
凱裏一帯はミャオ族(苗族)の里であり、山間の村は民族の風情に溢れている。
猫猫河の村落
この日は早朝から、まず雷山まで南下し、そこから凱裏に戻る形でこれら民族の村巡りを始めた。
スタート地点の雷山にも、貴州、広西エリア独特の風雨橋があるが、新しく造られたもののようで風情は余り無い。そもそも街そのものが新しく風情が感じられないので、ほんの少し風雨橋を見てすぐに山あいの道を歩き始める。
歩き始めてほどなくしてわき道に入り、山道を暫く行くとミャオ族の猫猫河という村落がある。
木造の瓦葺き家屋に棚田という、中国の農村はかくありき、といった村落だ。ただ、小雨が降っていたせいか、表にひと気がほとんど無く、少し寂しい雰囲気だった。
次の目的地に近い郎徳まではバスで向かったが、下車する頃には傘無しではきつい雨足になっていた。
郎徳から川沿いに少し歩くと、山あいの田園の中に村落と風雨橋が見えてきた。上郎徳と呼ばれる村である。
山あいの田園の中にある上郎徳の村。右側に風雨橋も見える
ミャオ族の音楽と踊り
入って暫くはやはりひと気が余り無かったが、歩いているうちに音楽が聞こえてくる。その方向へ行ってみると、広場でミャオ族の男たちが民族楽器の演奏を観光客たちに披露していた。音楽が終わると広場中央の柱を中心に大勢のミャオ族が輪をつくって行進する。雨で皆傘をさしていたのが風情を半減させていて残念だったが…。
南花の村落
この広場が村の中心なのだろう。にわかに人々の生活の息吹きが感じられるようになった。迷い込んできた?豚を人間が追い払う壮絶なバトルといった、農村ならではの風景を拝むことができた。
その後も南花、懐恩堡を訪れたが、前の2つと比べると風情に欠ける。最後にトン族(侗族)の凱裏侗寨を訪れるが、明らかに新しく造ったものだった。
凱裏市街に戻り、民族博物館へと向かうが、特別イベントの真っ最中で目当てだった民族の展示を見ることはできなかった。
バスターミナルと宿周辺はうらぶれた光景だったが、民族博物館のある中心街はかなり発展した小奇麗な街だった。