運城、臨汾、壺口瀑布 ~激しく流れ落ちる黄河
2007年5月27日
まだ明るくなる前に、河南省・洛陽に到着。そこから始発バスを待ってまず、山西省・運城へ向かう。
運城は三国時代の武将・関羽の故郷といわれている場所で、運城駅前には巨大な金色の関羽像もある。市バスで解州という所まで行くと、解州関帝廟がある。さすが関羽の故郷といわれる場所だけあって、ここの関帝廟の規模は中国全土にある関帝廟の中でも群を抜いている。
解州関帝廟
解州関帝廟の関羽像
しかし、今回このエリアに来た本当の目的はここではない。私は関帝廟を見終えるとすぐ、バスで臨汾へと北上した。
ところが、この臨汾が最悪だった。まず、ユースホステル(YH)があるということで向かってみたのだが、ドミトリー無し、最低価格270元と、およそYHと呼ぶに値しない宿で、私の機嫌を損ねさせた。
何より最悪なのが、交通状態。車道も歩道も狭いところに分不相応な車の多さで慢性的に渋滞が発生しており、空気がかなり悪い。それでいて、「中華人民共和国」の大きな欠点である交通マナーの無さと"我先"が全開。歩行者は信号を守らず、車も歩行者も自分のことだけ考えて先に進もうとするから、道路はグチャグチャだ。
正に、悪い意味での「中華人民共和国」の縮図である。私の不快感はピークに達した。もはや何があっても、二度とこの街には来たくない。
2007年5月28日
早朝6時すぎ、宿を出て堯廟バスターミナルへ行き、そこから吉県行きのバスに乗る。この街に来た目的である壺口瀑布へ向かうためだ。
未舗装で揺れの激しい道を進み、11時半、吉県に到着。そこから壺口へは公共交通機関が無く、三輪タクシーで片道1時間以上かけて行くことになる(往復60元)。三輪タクシーは速度が遅く、いつ着くんだろうかと少しいらついた時もあったが、途中から谷間に黄河が見えてきたお陰で少し退屈とイライラを紛らすことができた。
13時すぎ、ようやく壺口遊覧区に到着した。
壺口瀑布
滝が視界に入る前から、ごう音と水しぶきでその存在感が肌で分かる。そして、褐色に濁った黄河の水が激しく流れ落ちる風景が見えてきた。
落差はそれ程無く、思っていたよりも小さかったが、圧倒的な量の水が勢いよく落ちて高い水しぶきを上げる光景は圧巻の一言。龍洞という洞窟を下って断崖の中ほどから見る光景もいい。
河の向こうは陝西省である。この滝は陝西省・延安からもアクセスできるのだ。交通の便は延安からの方が良さそうなので少し迷ったのだが、延安は私の大嫌いな中国共産党の聖地である。あそこには絶対に足跡を残したくなかったので、臨汾からのアクセスを選んだ次第である。
帰り道も時間がかかった。臨汾に帰着したのは20時半前。わずか1時間足らずの参観に14時間も費やすという効率の悪い移動になってしまった。