張家界/武陵源 ~立ち並ぶ岩の柱
2007年5月22日
張家界は、湖南省北部に位置する都市で、世界遺産に登録されている、柱のような岩が林立する武陵源が内外の観光客を集めている。
武陵源はとてつもなく広く、1日で回りきるのは無理。1枚のチケット(磁気カード)で2日の間なら何度でも入場できるが、このチケットが指紋まで登録するシロモノ。そんなところに金をかけているせいか、入場料は250元という恐ろしい高さだ。
初日となったこの日は、2つある入場口のうち張家界公園側から入り、太陽広場から黄石寨へ向けて歩く。
初めのうちは雨模様だったが、頂上近くの六奇閣に着く頃には雨もやんでくれた。ここでトゥチャ(土家)族の舞踊を見た後、黄石寨を周回する遊歩道を歩く。
霧の中にそびえる五指峰
ここでは霧に悩まされる。途中の五指峰では程よく霧がかかって幻想的な風景を楽しむことができたが、そこを過ぎてからは完全にホワイトアウトして何も見えなくなってしまった。
黄石寨をぐるりと巡った後、来た道を下山し、太陽広場を基点に金鞭渓景区を歩く。ここでは清流の左右に見事な岩山が立ち並んでいる風景を楽しむことができる。
水繞四門に到着したところで無料の園内バスに乗り、武陵源入場口から退場。この日の山巡りはここで終わらせ、そこから少し離れた所にあるバス停から張家界市区に戻る。
2007年5月23日
この日はまず、駅に行って翌日の列車チケットを買いに行く。ところが、「明日のチケットを」と言ったにもかかわらず、渡されたチケットは今日のものだった。「明日のものだと言っただろう。換えてくれ」と抗議したが、新しいチケットは出さずに裏面に日付の修正を書き込んだだけ。「それじゃ、座席はどうなる?」と更に抗議すると、「乗ってから自分で探して!」と、大陸中国人のお家芸である自分の非を認めない逆ギレが炸裂。結局、キャンセル窓口があくのを待ってまずそのチケットをキャンセルし、夕方あらためて切符を買い直す羽目になり、無駄な時間を費やさせられた。
気を取り直して2日目の武陵源巡りに出発。この日は昨日の出口となった武陵源入場口から入り、まず十里画廊と呼ばれるエリアを歩く。
天気も良く、道も平坦で周りの景色を楽しみながら歩くことができたが、このエリアを抜けた先が「五上五下」と呼ばれるアップダウンの厳しい道だった。階段を延々2時間上り続け、ようやく目的地の天子閣に到着。そこで一息ついて、御筆峰などの名勝を楽しむ。
御筆峰[左側]
天下第一橋
天子閣から賀龍公園を経て、園内バスで天然の石橋・天下第一橋へ向かっているうちに、韓国人がやけに多くなってきた。ここ武陵源は韓国人に人気の場所で、韓中友好を記念した場所もあるのである。
天下第一橋のわきを通り、後花園近くのエレベーターに着いたところで、韓国人の団体はそれに乗って下ってしまったが、私は更に遊歩道を先に進んだ。
「これぞ武陵源」と言うべき絶景
遊歩道からの眺めに、私の口からは「すごい
」の嘆声がとめどなく溢れ出てきた。向かい側の山との間が目もくらむような谷になっていて、その谷底から「これぞ武陵源」と言うべき岩の柱が、眼下の地面から無数に、雄々しく、猛々しく生えてきている。
平坦な遊歩道が急な下りに変わり、麓へと続く。やがて昨日も通った金鞭渓に出た。
そのまま昨日と同じコースをたどって出口へ。18時前、武陵源巡りを終わらせた。
武陵源の景色にはかなり気持ちを高ぶらせられた。これまで見た中国の自然の中でNo.1と言えるだろう。