バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

海南島

海口・4 ~火山の名残り

2006年5月6日

華やかな三亜のリゾートビーチに別れを告げ、バスで海口へ戻る。

宿は海口入りした時と同じ、万盛賓館を目指す。フロントの服務員が私のことを覚えてくれていて、チェックインも実にスムーズに行うことができた。 火山口公園
火山口公園

先の海口滞在中に、海、熱帯植物、海南島に縁のある人物などに触れてきたが、まだ触れていないこの地の一面があった。それは、火山である。
海口から南へ10kmほど離れた、瓊山市石山鎮にある火山口公園でその様子を見ることができるというので向かってみた。(行き方がよく分からなかったので、往路はタクシーを利用した)

公園の入り口をくぐると、園内のあちこちに保存状態のいい火山岩が置かれている。足元を見ると、石畳も火山岩だ。
坂道を上っていくと、赤い文字で「火山口」と書かれた石碑が見えてきた。標高222mの主峰・馬鞍嶺の火口だ。
ただし、火口とは言っても死火山である。別にマグマが見えたりする訳でもない。 馬鞍嶺の火山口
馬鞍嶺の火山口
それどころか、火口内には草木も茂っていて、もはや火口の“灼熱”をイメージすることはできない。
(それでも、資料によると、ここは世界で最も完全な形で保たれた死火山の火口らしい)
火口内には階段が設置されていて、下まで降りられるようになっている。行ける所まで降りてみると、岩が日光を阻んで非常に涼しい。火口の中が涼しいというのも、いかにも“死火山”だが、海南島の暑さにさらされてきた体にとっては、しばしのいい休憩になった。

火山口から出口に下りていく途中に休憩所があった。そこで何かが始まりそうだったので、座って暫く待ってみた。
案の定、始まった。民族ショーである。司会者の言葉によれば、黎族のショーらしい。
まずは、黎族の伝統歌曲の披露。それから、楕円形の木の葉を使った葉笛の演奏が行われた。たった一枚の木の葉をどのように使えばあのように美しく繊細でありながら力強さもあるメロディーを奏でられるのか、ただただ感心するばかりである。
それから、中国の民族舞踊ではもはや定番と言っていい、バンブーダンス。一応の型はあるものの、若者たちの踊りの中には何か自由奔放さが感じられた。
暑い中でこうした爽やかなショーを見せてもらうと、いい心の納涼にもなる。

葉笛の演奏
葉笛の演奏
バンブーダンス
若者たちのバンブーダンス

観光者向けに組まれた見世物的なものとはいえ、こういうショーを見ていると民族の特色が具体的な形として見えてくる。
先日五指山に行った時は、非漢民族の街にもかかわらずこのような光景を見ることができず、少し残念な思いをしたが、予想外の所でお目にかかることができた。
明日の朝には海南島を離れなければならないという、最後のタイミングで、幸運の女神が微笑んでくれた ―― と、その時は思った。

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