バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

香港、深圳、マカオ

深圳-1 ~ビジネス街とテーマパーク

2004年1月29日

香港と境界を接する北に深圳がある。この街は“大陸”に属し、同じ中国であるにも関わらず、香港との間を行き来するにはパスポートが必要だ。幸い、昨年から2週間までならビザ無しで大陸で渡航できるようになった。仕事のために取得したマルチビザの力を借りるまでもない。
1991年、初めて大陸に足を踏み入れたのは、香港からこの深圳を経由してだった。 深圳の中心街
ビジネス都市・深圳の中心街
しかしあの時は、慌しく列車を乗り換えるばかりで街に出ることはなかった。せっかく香港に来ており、時間もあることだ。私は再び香港―深圳の道をたどることにした。

深圳への列車は九龍の紅磡駅発着。所要時間40分程で香港・深圳の境界にある羅湖駅に到着する。列車を下りて細い川を渡り、イミグレーションで入境手続きを済ませると、そこはもう“大陸”である。
13年の時を経て、私はようやく初めて深圳の地面を踏みしめることができた。

深圳はビジネス都市として発展著しい街であり、街中には近代的な摩天楼が立ち並ぶ。しかし、同じくビジネス都市である大連で生活している私には、さほど目新しくも感じられない。私は、深圳のもう一つの“顔”を求めてバスに乗った。

深圳のもう一つの“顔”というのはテーマパークである。中心街から西へ15km程行ったところにある華僑城には、中国民俗村や遊園地など4つのテーマパークがあり、さらに少し行くとサファリパークもある。私はそのうち、中国民俗文化村、錦繍中華、世界之窓を訪れた。

中国民俗文化村はその名の通り、中国各地の民俗文化を紹介するテーマパークだ。園内を歩いていると、雲南の石林や江南の風情を再現した場所などがある。 錦繍中華の莫高窟
錦繍中華の莫高窟
錦繍中華の故宮
錦繍中華の故宮
その他にも、民族の名物料理を売る屋台があったり、民族衣装をまとった女性が踊る姿が見られたりもする。
ただ、それ程広くないエリアにあれもこれもと詰め込んでいる感があり、何かごちゃごちゃとしていてまとまりが無い。

錦繍中華は中国民俗文化村に隣接しており、通しチケットで行くことができる。
ここは中国各地の名所をミニチュア化して展示しており、上から見ると中国地図になっているらしい。西は敦煌の莫高窟やラサのポタラ宮から、東は万里の長城や北京の故宮までカバーしている。
チャチな造りのものも一部あるが、おおむね精巧につくられており、故宮など建築物を再現したものの場合、中にいる人まで再現している。
歴史ある建物の向こうに近代的なビル群が見える光景も、また深圳らしい。
スペースに限りがあるから、原寸大にすることは到底不可能である。しかし、ミニチュアにされていることで「どうせレプリカなんだから」と完全に割り切って見ることができる分、下手に原寸大で再現するよりも楽しんで見ることができるかもしれない。
腰程度の高さしかない長城の側に立ってゴジラの気分になってみたりして、先程の中国民俗文化村に比べ、私も結構楽しんで回ることができた。

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