バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

香港、深圳、マカオ

香港の街 ~再び見る風景

2004年1月28日

少しましになったとはいえ、まだ体調は万全でない。起動はやや遅めになった。

ホテルのある銅鑼湾から渡し舟の乗り場のある中環(セントラル)まで、ぶらぶらと歩いてみる。
この界隈を歩くのは初めてだが、それ程広くは無い道を2階建てバスが走る光景は、やはり香港らしさを存分に見せ付けてくれている。
やがて、中環にたどり着く。このあたりからは以前来たときにもよく歩いた場所となり、新鮮さという点には欠けるが、それでも見るものを飽きさせないものがある。

中環からスターフェリーに乗り、ビクトリア湾の潮風に吹かれつつ、九龍方面へ向かう。どこか落ち着きのある香港島側に比べ、九龍の彌敦道(ネイザン・ロード)界隈は相変わらず雑多で、どこか怪しげな雰囲気がある。それは、異彩を放つあの重慶大厦がなお健在であるためなのかもしれない。
重慶大厦近くの飲茶の店で、昼食を取ることにした。点心1品が9.8HK$からというのは、香港の飲茶としては手ごろな部類に入るが、大陸での物価体系に慣れてしまった私には、決して安くは感じられなかった。
そう言えば、今回泊まっているホテルも、香港では格安に入るのだが、大陸なら200HK$(約240RMB)もあれば十分に3ツ星ホテルに泊まることができる。これが、香港と大陸との経済格差、ということなのだろう。
香港仔
香港仔

香港島に戻った後、島の南側に位置する香港仔に向かう。海峡に浮かぶ無数の船の光景が、私のお気に入りであったからだ。
海上には相変わらず、船がひしめき合っていた。 しかし、4年前には辛うじて残っていた、水上生活者の息吹が全くと言っていい程、今は感じられない。船よりも川辺のマンションの方が存在感があるくらいだ。彼らは皆、陸に上がってそのマンションにでも移ったのだろうか。 数こそ相変わらずではあったが、船たちはどこか寂しげに見えた。

それとは対照的に、香港島北部の中心街・中環一帯は寂しさとは無縁。活気に満ちている。メーンストリートの徳輔道が人でごった返しているのは言うまでも無い。ヒルサイド・エスカレーターの両脇には、相変わらず香港庶民の日常が体現されている。
市場
庶民の息遣いに満ちた市場
でたらめに歩いていると、細い路地に食料品・衣類・雑貨等が所狭しと並んでいる場所に行き着いた。市場である。人2人がやっとすれ違うことができるような狭い路地を大勢の人が行き交い、店主が広東語で道行く人に声をかけるという、庶民の息遣いに満ちた場所だ。広東語は全く分からないが、これ程商売に合った言語は無いようにも思える。もしかしたら、香港・広州・深圳といった広東語エリアが一大ビジネス地である、ということからくる先入観なのかもしれないが。

気づいてみれば“相変わらず”という言葉が、何度も私の脳裏をよぎっている。確かに、変化の著しい大陸に比べて、香港は4年ぶりに訪れても、変化がそれ程無いように感じられるのは事実だ。しかしそれは、香港の経済が4年前の時点で既に、ある程度の段階にまで達しており、今が安定期である、ということを表しているのかもしれない。

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