バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

東トルキスタン、大陸中国西北

北京、天津 ~シルクロードへの通過点

2002年7月12日

早朝5時半、大連からの夜行列車が北京に到着した。駅の出口を抜け出すと、そこにはもう何度も目にしている、北京駅前広場の賑わいがあった。
北京はもう何度もていて、見るべき所はほぼ見尽くした感がある。それでもここに立ち寄ったのは、中国の東の果てに近い大連から、列車駅で言えば最西端になるカシュガルまで列車で走破したいという、ささやかな目標のためだ。1000年の都も、私にとっては今や単なる“通過点”に過ぎなくなっていた。
駅の切符売場で翌日夜発の西安行きの硬臥票を確保した後、私は当時北京での常宿にしていた、国際飯店別館のユースホステルへ向かった。しかし、服務員が8時にならないと出勤しないという。この日、天津で友人に会う約束をしていた私としては、早くチェックインしたかったところだったが、いないものは仕方がない。チェックイン後に買おうと思っていた天津行きの切符を、先に買いに行くことにした。
9時27分発の切符を確保して駅から戻ってくると、既に服務員が出勤していた。しかし、フロントはチェックアウトの客でごった返しており、なかなか私の番が回ってこない。気が付くと、9時近くになっていた。列車の時間があった私は、焦って服務員を急かしたてた。
「早く! 9時半の列車に乗らなきゃならないんだよ!」
順番を優先させてもらって、ようやくチェックインの手続きが終了。私は急いで北京駅に向かい、天津行きの列車に飛び乗った。

1年半前にも行った南市食品街で正午すぎ、友人と待ち合わせ。天津で最も有名な料理店・狗不理に入った。店構えが立派で、以前この食品街を訪れた時は気後れして入りそびれたのだが、内装は実に普通で、料金も驚くほどに手頃だった。肉まんと冷菜を肴に、友人と近況や留学後の予定などの話に花を咲かせた。
天津には以前も訪れており、今回訪れた目的もその友人に会うこと以外無かったので、特に観光をすることもなく、友人と別れたところで即、北京に戻った。

天津はかなり蒸し暑く、結構体力を消耗してしまった。その後は何をする訳でもなく、ただユースで今後のためにゆっくりとするばかりだった。

2002年7月13日

西安行きの列車は夜の10時半発。かなり遅いので、ぎりぎりの12時近くまで待って、チェックアウト。北京の街をぶらぶらして時間を潰すことにした。
夜はまた京劇でも見ようかとも思ったが、そうすると逆に列車に間に合わない恐れがあったので、断念。瑠璃廠や王府井を目的も無く歩き回る。
王府井のとあるビルには映画館街がある。ちょうど昨日「スターウォーズ Episode2」が封切りになったところで、切符売場は客でごったがえしていた。京劇の代わりにこっちを見ていくか、と思ったが、適当な時間の英語版(私は、吹き替えの映画は極力見ない主義である)が満席だったため、こちらも断念せざるを得なかった。後は、書店巡りをする位しか思い浮かばなかった。
夕方になって、天安門広場に行き着いた。暫くぶらぶらしているうちに、ちょうどいい時間になった。私は北京西駅に向かい、シルクロードの発着点・西安に向かう列車に乗り込んだ。

<新着記事>

Google

WWWを検索a-daichi.comを検索