バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

大陸中国・重慶―三峡―赤壁

重慶の長い一夜 ~取り調べ室?

2000年9月22日

扉を開けると、そこには服務員の中年女性とこわもての男がいた。
何やら強い口調で「ちょっと来い」と言っている。どうもやばい雰囲気だ。私は言われるままに男について行った。
連れて来させられた所は、まるで取り調べ室のような一室。男は「そこに座れ」と、相変わらず強い口調で言う。いよいよもって、取り調べのような雰囲気だ。

少々びくびくしている私の目の前に、男が座って、1枚の紙をバン、と突きつけてきた。
[何だ、住宿登記か]
久しぶりの中国な上に、1泊目であったことから、私はチェックインの際に書かなければならなかった住宿登記を書かされていなかったことに、気づいていなかったのだ。そんな事なら、お安いご用だ。私も少し強気になって、住宿登記に記入すると「どうだ!」と言わんばかりに、男に突き返した。
男はそれを見ながら「日本から重慶までは、どうやって来たんだ」と聞いてくる。私が「飛行機で直接来た」と答えると、男はやはり強い口調で
「嘘をつけ。日本から重慶に来る直行便なんて無いぞ!」
先程から彼の高圧的な態度に腹を立てていた私は、激しく言い返した。
「有る! 何だったらチケットの半券見せようか?」
私が立ち上がって半券を取りに部屋へ戻ろうとすると、男は「分かった、もういい」と、私をそのまま部屋に帰してくれた。
それにしても、日本からの直行便があることを、地元民でも知らないとは ―― あの貧相な空港では、無理もない。

部屋に戻って再び、しばらく時を過ごしたが、初日からいろいろあって、随分疲れてしまった。旅はまだこれからだ ―― 明日からに備えて、私は就寝した。

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