再度ビクトリア・ピーク ~せいぜい1万香港ドルの夜景
2000年5月1日
ピーク・トラム駅に着いたのは、昨日より少し早い夕方5時頃。
この時間になっても、まだ蒸し暑い。余りに汗をかいたので、駅の売店でスポーツドリンクを買ったのだが、売店の気のいいおばちゃんに「汗びっしょりだよ」と笑われてしまう。
再びピーク・トラムで展望台へと向かったが、今度は途中で霧に包まれることもなく、いい夜景が見られそうな期待が持てた。
まだ「夜景」というには早い時間だったので、テラスでコーヒーを飲みながら時間をつぶした。
しかし、時間がたつにつれ、日が落ちていくと同時に、やっぱり霧が立ちこめてきた。昨日ほどではないのだが、やはり「100万ドルの夜景」には程遠い。
昨日よりはましな夜景
「これじゃ1万ドル程度だな」
そんな声が聞こえてきたが、これでは1万ドルでも高い気がする。せいぜい、1万香港ドルぐらいのものではないだろうか。
薄暗いうちはまだよかったが、日が完全に沈んだ後は、街の灯りが霧ににじんでしまい、全体的に赤っぽい光景になってしまった。
それにしても、展望台の庭で派手な音をたてて水を吹き上げている噴水が気になった。
(まさか、あれが霧を誘発してるんじゃあるまいな)
そんな馬鹿なことはもちろんあるはずないのだが、そういうことを考えてしまう程、派手な噴水であり、いまいましい霧だった。
残念ながら、感動する程素晴らしい夜景にお目にかかることはできなかった。だが、霧に悩まされながらあそこまで見えたのなら、まあ良かったのではあるまいか。
自分自身に言い聞かせながら、私はビクトリア・ピークを後にした。
フェリーから見た香港島の夜景
九龍へ戻るフェリーから香港島を振り返ってみると、割合きれいな夜景が見える。見事という程ではないが、ビクトリア・ピークで心の中にまでかかってしまった霧を、少し晴らしてくれた気がした。
時刻は9時を回っていたが、まだ夕食を食べていない。
今回は旅の日程がかなり短かったので、いつもの長期貧乏旅行のようなことは宿だけにして、食事は本格的なものにしたい。増して、前日は展望台で中華料理を食べ損ねている。今度こそはと、デパートの4階にあるレストランに入った。
香港に来たからには、ディナーにはやはり、フカヒレスープだ。舌触りやのどごしがツルンとしていて、食感は最高。味もまずまずだった。
もう一つ頼んだのは、”客家風焼き豚”。辛いような苦いような、始めて経験する味だった。
ただ、白飯がタイ米と同系統のインディカ米を、柔らかめに炊いたもので、こちらはいまひとつ。
それよりも不満だったのが、接客態度だ。愛想が悪いことで有名な中国本土並みだった。いくら返還されたからとはいえ、こんな所まで大陸に合わせることはなかろう。
(注:別に香港全体の傾向であるわけではない)
宿に戻った後、デイパックを部屋に置いて、またも夜のネイザン・ロードに繰り出した。
道行く人が談笑したり、商売する声があちこちで聞こえたり、通りがかった男と娼婦が口論していたりで、相変わらずの喧噪ぶりだ。
しばらく雰囲気にひたりながら歩いていると、ポツリ、ポツリ…。ついに、雨が降ってきた。
ネイザン・ロードはアーケードになっているので、ここを歩く分には困らないが、旅の最終日である明日の天気は、大丈夫だろうか…。
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