ビクトリア・ピーク-初日 ~いまいましい霧
2000年4月30日
地下鉄で中環(セントラル)にたどり着き、バスに乗り換えてピーク・トラム駅へ向かう。
ピーク・トラム
ピーク・トラムはトラム(路面電車)というよりは、ビクトリア・ピークの展望台への急斜面を一気に登るケーブルカーだ。ただでさえ傾いているのに、登り始めるとさらに傾いて、怖さすら感じる。
しかし、道すがら、傾斜よりも気になるものが現れ始めた。
―― 霧!! ――
しかも登るにつれて濃くなってくる。近づいてくる展望台がようやく分かる程度という視界の悪さだ。
(時間がたてば、霧も晴れるかもしれない)
かすかな期待を抱きつつ、まだ夜景と言うには早い時間だったので、まずは展望台6階にあるレストランで夕食を取ることにした。
しかし、このレストランを選んだのは失敗だった。
世界各地の料理を集めたバイキング形式だったのだが、肝心の中華料理が無い。
わざわざ香港に来てまで、ステーキや寿司を食べる気はしない。辛うじて中国らしい春巻きと子豚のスープだけを取ってきたが、これではビールのつまみ程度だ。
それで払った金は100HK$以上…。金額よりも、香港での一食目で中華料理が食べられなかったことが、口惜しかった。
霧の中、ようやく撮れた夜景
辺りも暗くなって、展望台から見える光景も、ようやく夜景らしくなってきた。
しかし、霧は相変わらずだった。飛行機が香港上空に着いた時から感じていた嫌な予感が、当たってしまった形だ。
それに、大事なことを忘れていた。
その日は、日曜日。中環のオフィス街は人が少なく、窓の明かりも一向に増えない。
それでも、前回北京でストロボを使わずに京劇の写真を撮った実績のあるデジタルカメラで、夜景を撮ってみた。何とか、それと分かる写真は撮れたが、満足できる出来ではない。
明日、もう一度来てみることにしよう。
私は宿に戻ることにした。
それにしても、観光客たちが夜景の写真を、ストロボを使ってパシャパシャ撮っているのが気になった。こんな霧の中でストロボを使ったら、霧の粒子に光が反射して真っ白な写真しか撮れないのだが…
ピーク・トラムとバスを乗り継いで中環に着くと、皇后像広場という所がある。
時間は夜の9時を過ぎているにも関わらず、まるで昼間のようなにぎわいを見せている。しかも、そこにいるのは女性ばかりだ。夜とは思えないにぎわいにも少々驚いたが、それよりも、そんな時間に女性ばかりがこんなに大勢、という光景に驚いた。
(後で分かったことなのだが、日曜日の皇后像広場は、香港でメイドなどとして働いているフィリピン人女性の憩いの場になっているらしい。その話を聞くまで、そこにいた女性たちがフィリピン人だとは、全く気づかなかった)
夜もにぎわう皇后像広場
麓から見た中環の夜景
しばらく麓から中環の夜景を眺める。霧がかかっていない分、展望台からみるよりもきれいだった。
その後、地下鉄で宿のある尖沙咀に向かう。
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