アレクサンドリア-2 ~初めて見る"イスラム"
地中海にせり出したカイト・ベイ要塞から少し街中の方向に戻ったところに、アブル・アッバース・モスクがある。先ほどは西洋的なキリスト教教会を訪れたが、ここはやはりオリエント・エジプト。モスクのある風景がよく似合う。
イスラム圏初訪問の私にとって、モスクをじっくりと見るのは初めての経験だった。重厚さの中に繊細さも感じられる建築物の上に、鋭い突起の出た丸屋根(ドーム)が乗っている様式は、ここがイスラムの地であることの証明だ。
アブル・アッバース・モスク
アブル・アッバース・モスクの内部
礼拝の時間ではないためか、内部はひっそりとしていて、イスラム服を着た数人の信者がいるのみである。礼拝の時間になると、床に敷かれた絨毯の上に大勢の信者たちが座し、コーランが流れる中礼拝を行うのだろう。今はそれを想像するだけだが、人がいなくても十分にその荘厳さは伝わってくる。
アブル・アッバース・モスクから東20kmほどの海岸には、王族の別荘だったモンタザ宮殿が建っている。アブル・アッバース・モスクと比べると、どちらかと言うと西洋的な外観だ。
モンタザ宮殿
内部には入れなかったが、ナツメヤシや花々が植えられた中庭は、今回の旅で見た場所の中では一番華やかだった。
宮殿そばのビーチは海水浴場になっていた。海水浴ということを全く考えていなかった私は、泳ぐ準備をしてきていなかった。そんな私を横目に、旅行社の男一家が水着に着替えて泳いでいる。娘さんも水着に着替えている、ということは、この一家はやはりイスラムではなさそうだが ―― それにしても、まさしく便乗、もしくは公私混同極まりない。
他にどこかへ行くかと思っていたら、タイムリミットでカイロに戻ることになってしまった。
日程的にアレクサンドリアは日帰りにせざるを得なかったのだが、1日でアレクサンドリアを回りきるのは土台無理なので、どこかを切り捨てなければならない。しかし、中に入ることのできないモンタザ宮殿や、海水浴場に行くくらいなら、グレコローマン博物館やポンペイの柱の方が見たかった。
事前にそういう要望をきちんと伝えていなかった私のミスである。今後は注意することにしよう。
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