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富士山

富士登山記 富士宮ルート登山(2022年8月)

九合五勺―富士山頂

2022年8月6日

午前2時すぎ。まだ夜中だというのに山小屋の中がざわついてきた。山頂での御来光を目指す登山客たちがこの日の行動を始めたのである。
富士山頂での御来光を既に2度経験している私は、そこまでこだわりは無かったが、目が覚めてしまったのでつられて動き始めてしまった。
取りあえず身支度をして表に出てみると、すっきりと澄んだ夜空。都会では見ることのできない星空が広がっている。「冬の西空の星座」のイメージが強いオリオン座が夏の東空に横たわっているのも、この時間ならではだ。
写真
真夜中の出発
これなら御来光も期待できるだろう。せっかくなので私も午前3時18分、山頂での御来光を目指して暗闇の中、九合五勺を出発し、ヘッドランプの明かりを頼りに山頂への最後の登りを歩み始めた。

登山道は御来光を目指す登山客でいっぱいになっていたが、渋滞という程ではない。ペースの遅い登山客は追い抜き、早い登山客には譲り、ということが十分にできるぐらいのものだった。
それにしても、登山客のヘッドランプが輝いているとはいえ、これだけ夜中の早い時間の真っ暗な中での富士登山は初めて(と言うより避けて通ってきた)。自分のヘッドランプの明かりを頼りに、特に足元には注意を払いつつ歩き進んだ。
やがて目の前に、夜空に映える白い鳥居が見えてきた。そして、それを越えた次の瞬間の、午前3時56分... 写真
富士宮ルート頂上
見覚えのある、頂上富士館
どうやら、登頂したようだった。
実に6回目の登頂。感慨は「お、着いたか」程度のものだった。

さて、御来光だが、ここ富士宮ルート頂上は頂上富士館正面の駒ヶ岳から見るのが定番らしいが、人が多そうだし、。私は山頂を周回する「お鉢」を少し東へ反時計回りに移動することにした。そして、ここらへんが陣取りやすいだろうと腰を据えた場所は、図らずも5年前に初めて富士山頂からの御来光を拝んだ時とほぼ同じ、朝日岳のあたりだった。
九合五勺を出発した時には星空が美しかったが、気が付けば雲が増えている。それでも一面の雲という訳ではないので、隙間から御来光は見ることができそうだ。
そして、午前4時52分... 写真
雲の間から見えた御来光
雲と雲の僅かな隙間から、朝日が顔を覗かせた。私にとって4度目の、富士山から見る御来光(山頂からは3度目)だった。

一旦頂上富士館前に戻り、泊まった山小屋で支給された朝食を頂きがてら休憩して、再出発。富士山頂を一周するお鉢巡りに繰り出す。
富士山頂からの絶景は御来光だけではない。前回の登山からもう一つの絶景を意識し始めたが、この時は空振りに終わった。今回こそそれを見ることができるか、リベンジマッチだ。

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