吉田ルート下山(2)
2019年7月13日
さて、吉田ルートの下山道はどんな感じだったかと言うと、
緩やかな坂道を下って、
折り返して
緩やかな坂道を下って、
折り返して
の繰り返し。
「ただの下り坂」が延々と続くばかりの道だった。
吉田ルートの登りは映像を見て、岩場や急坂のある割と厳しい山道だということを知っていたので、下りもそういう場所があるかと思っていたのだが、全く無い。
岩場も無い
砂走りも無い
これまで須走ルートや御殿場ルートを下ってきた私にとって、余りに手応えの無い山下りだった。
富士登山マラソン、もしくは富士登山駅伝のトレーニングのために軽装で山道を走って下っているランナーもいる。私もそれに交じって時折走って下った。それができる程容易なルートなのである。
とはいえ、だからこそ吉田ルートは「初心者向け」ということなのだろう。登りが割と厳しいので、初心者は登りで力を使い果たしてしまう事態が考えられる。なのでせめて下りは楽に、という心遣いなのかもしれない。
それに、時として落石よけのコンクリート製シェルターの通路が山側に設けられている箇所もある。初心者向けのコースとはいえ、富士登山はやはり危険と隣り合わせなのだ。
コンクリート製シェルター
森林限界の下に突入
13時24分、七合目トイレで少しだけトイレ休憩。ここからにわかに傾斜が緩くなってくる。
程なくして海抜2500m地点を通過。やがて、道の両側に木々が生い茂ってきた。
森林限界の下に突入したのである。
そして、六合目が近くなってきたところで、異様な光景が目に入った。
六合目。富士登山に向かう長蛇の列
坂を上っていく長蛇の列の集団...
そう、ここは吉田ルートの登山ルートと下山ルートの分岐点で、この列は噂に聞く吉田ルート登山の大行列だ。折しも土曜日で、登山客は一際多い。
一時はここで列は途切れていたが、私が下っていくうちにどんどん後続が列に繋がっていく。六合目に到着してみるといざ登山に出発せんとする人々が更に群がっていて、その先の道でも幾多の登り客とすれ違う。
毎年富士山にチャレンジしていると、いずれは全ルートを登り下りとも制覇したいという気持ちが自然とわいてくるが、この光景を見ていると、吉田ルートの登山はしっかりと日程を組んで渋滞に巻き込まれない工夫が必要だな、と感じた。
六合目からも坂道は緩やかだったが、泉ケ滝分岐点から先はほぼ海抜2300mの等高線の上を沿って進む平坦な道になった。
そして14時7分...
富士スバルライン五合目に到着!
下山完了である。コースタイム3時間30分のところをそのほぼ半分の1時間47分で歩き切った(時折走ったが)。
富士スバルライン五合目に到着
富士スバルライン五合目は中学の修学旅行で来て以来、大人になっては初めての来訪だったが、そこにあったのは完全な「観光地」だった。2、3階建ての土産屋・レストランがずらりと並び、溢れんばかりの人、人、人の賑わい。外国人の割合も高い。小さな山小屋・レストハウス・茶屋がたたずむだけの須走、富士宮、御殿場の登山口のひっそり感とはまるで別世界だった。
富士スバルライン五合目
それにしても、観光客向けの施設は幾つもあるのに、肝腎の登山客が着替えをできる場所がまるで分からない。インフォメーションに問い合わせてようやく、富士急雲上閣の3階に休憩スペースがあると分かり、そこで汗を吸った衣服から解放されることができた。
せっかく着替え場所を無料で提供していただいたので、富士急雲上閣では、レストランでカレーと生ビールの「頑張った自分へのご褒美」、売店で職場向けの土産を購入するなど、存分に利用させていただいた。
河口湖・富士山駅方面への帰りのバスも、この施設の前が乗り場だ。既に大勢並んでいたので、雨の中だったが私も列に並び、しばし待つ。
富士宮五合目までのバスが観光バスタイプだったのに対して、富士スバルライン五合目のバスは普通の市バスタイプ。立ち客をぎっしりと積んで、五合目からの急坂を下っていった。
富士山駅で下車して、高速バスで新宿へ。川崎の自宅に戻り、今回の富士登山も無事終了した。
今回で4度目の富士登山。九合目辺りではさすがに少々息苦しさを感じたが、やはり回数を重ねる度に余裕が出てくる。予定を遥かに上回る早さで登って下りることができた。
そして、今までは山頂で1泊して下山していたが、今回は初めて、登山前に1泊して登山自体は日帰りで終わらせるパターンになった。(山頂での御来光を既に2度経験していて、既にそれにはこだわらなくなったこともある)
さて、来年はどう登ろうか?と早くも考え始めていた8月のある日、ひょんなことから大学時代のマラソンサークルの仲間内で「来年は一緒に登ろうか」という話が出て、私もそれに乗ることにした。
次は、親しい仲間たちと一緒の富士登山だ。
※しかし、2020年は新型コロナウィルス禍で富士登山そのものが不可能となり、その計画は立ち消えになった...
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