お鉢巡り
2019年7月13日
10時36分、富士宮ルート頂上の頂上富士館を出発。ここは頂上とは言っても最高点ではないので、正真正銘の日本最高点を目指す。
お鉢巡りに出発だ。
富士山頂火口
頂上富士館の裏側に出ると、右手にお鉢=富士山山頂火口跡がぽっかりと口を開けているのがよく見える。何度見ても大迫力の小光景だ。
但し、この火口から噴火があったのは2200年ほど前が最後。先ほど登ってきた宝永山の噴火が300年ほど前と圧倒的に近いので、生々しさという点では宝永山の方に軍配が上がった気がした。
そして、道の前方に目をやると、見えるのは正真正銘の日本最高点・剣ヶ峰だ。
ここに到達するには急坂「馬の背」を登る必要がある。初めてここを登った時は足がズルズル滑って随分苦労をさせられたが、この急坂もこれが3度めとあって、今回はスイスイ登ることができた。
馬の背
富士山最高点=日本最高点に到達
剣ヶ峰に到着。皆さんが記念写真を撮っている石碑の更に奥にある正真正銘・富士山最高点=日本最高点を踏みしめて、お鉢巡りのルートに戻る。
先ほど上から見た時にも目に入っていたが、お鉢にはまだ所々雪が残っていた。場所によってはお鉢巡りルートのすぐ横に雪が迫っていたりもした。
富士山は4年連続で夏登山をしているが、今回がその中で一番時期が早かったこともあってか、これだけ雪が残っている光景は初めてだ。この季節にしか登らないから、これまで雪の無い光景ばかり見てきたが、富士山は夏以外は冠雪する自然条件の厳しい山なのだ。この季節以外は絶対に近づかないようにしよう。
お鉢内部に残っていた雪
お鉢の北端に達する手前で、通常歩かれるルートとは別の、一段下にあるルートに入った。
そこにあったのは、富士講信者に神聖視されている泉「金明水」だった。昨年お鉢巡りをした時にグループのリーダーに教えられた場所である。通常とは違うルート上にあるが、お鉢巡りをするならぜひ訪れたい隠れスポットだ。
金明水
剣ヶ峰の下あたりが「雪の壁」のようになっていた
坂道を登って通常のルートへ。登った先がほぼ富士山頂最北端で、そこから南東へと鉢の縁を進む。
ふと振り返ってみると、剣ヶ峰の下あたりの山肌に、雪がまだ白い壁のようにびっしりと残っているのが見えた。季節は夏だが、富士山頂にはまだ「冬」が大きく残っている。富士山という自然の厳しさをあらためて実感した。
11時35分、吉田・須走ルートの山頂ゴール地点に到着。
吉田・須走ルートの山頂ゴール地点
実はここ、のり面の石積みが崩れて登山道を塞ぎ、ゴール手前の鳥居前に設置された山側の狛犬をもうずめてしまうという事態が発生していた。吉田ルートは例年なら7月1日にオープンするが、復旧が間に合わず8合5勺から上の登山道が通行止めになっていた。復旧工事が終わり、山頂までの登山道がようやく開通したのは7月9日のことだった。これもまた、「富士山という自然の厳しさ」の一つである。
今見える登山道は瓦礫が取り除かれ、狛犬も瓦礫の下から救われて元気に姿を見せていた。そして、吉田ルートを、須走ルートを登ってきた登山客たちが次々とゴールを目指して歩いている。
復旧に尽力して下さった関係者の方々には本当に、頭が下がる思いだ。私は違うルートを歩いてきたが、安全に登山ができるということに、どれだけ感謝しても感謝し尽くせない。
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