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富士山

富士登山記 プリンス、吉田ルート登山(2019年7月)

御殿場ルート六合目―七合九勺

2019年7月13日

プリンスルートは六合目(海抜2840m)から御殿場ルートを登ることになる。

御殿場ルート六合目すぎから望む宝永山
御殿場ルート六合目すぎから望む宝永山

6時17分、六合目を登り始める。眼下に先ほどまでいた宝永山が見える。その背後には愛鷹山が、左手には箱根の山も望むことができる。

そしてここから傾斜がきつくなり、道がつづら折りになってくる。

6時45分、海抜3000m地点に到着。富士宮口五合目が海抜2400mなので、まだ中間点に至っていない。ここからが本番だ。

御殿場ルート海抜3000m地点
御殿場ルート海抜3000m地点

6時52分、七合目(海抜3040m)に到着。御殿場ルートは五合目から六合目がコースタイム200分と鬼のように長い割には、六合目から七合目はコースタイム35分と極めて短い。

そしてここからは、登りと下り共通のルートとなる。なので、狭い所ですれ違う時などは譲り合い(但し登り優先)が必要となってくる。

七合目には山小屋「日の出館」があるが、閉館中で利用することはできない。

御殿場ルート七合目 日の出館
御殿場ルート七合目 日の出館
御殿場ルート七合四勺 わらじ館
御殿場ルート七合四勺 わらじ館

しかし、ここから少し歩けば、営業中の別の山小屋がある。6時58分、七合四勺(海抜3050m)の「わらじ館」に到着。

ここで休憩。今回の登山では富士宮ルート六合目以来の山小屋で、そこでは休憩をとらなかったので、今回初めての山小屋での休憩、そして登山を開始してから初めてのトイレとなった。

ここから、辿ってきたルートを見下ろしてみた。前日は雲海が広がっていた眼下だったが、今は雲が薄くなって、下界の景色が雲間から見えている。

御殿場ルート七合四勺からの眺め。山中湖が見えた
御殿場ルート七合四勺からの眺め。山中湖が見えた

「あれ――もしかして、山中湖ですか?」

ある見慣れた形に気がついた私は、山小屋の主人に尋ねた。

「そう、山中湖です」

やはりそうだった。

私が富士登山に繰り返しチャレンジする理由の一つに、「富士山の上から駿河湾や富士五湖の眺めを楽しみたい」というものがあった。これまではことごとく雲に阻まれてきたが、今回ようやく、その目標に手が届いてくれた。

これだけ天気が上々な富士登山は初めて――と思いきや、突如、山小屋の真下あたりから白い雲の固まりがもくもくとわいてきた。ここから先の天気は大丈夫だろうか。

わらじ館では26分間と休憩を十分にとって、7時24分、登山を再開。その5分後には七合五勺(海抜3090m)の「砂走館」に着くが、休憩は先ほど十分にとったので、ここでは立ち止まらずに先へと進む。
御殿場ルート七合五勺 砂走館
御殿場ルート七合五勺 砂走館


日の出館から砂走館の間はゆるやかなほぼ直線の坂だったが、砂走館を過ぎて見えてきたのは、再び急斜面を貫くつづら折りの山道だった。次の山小屋は見えているが、はるか向こう。しかも、道がジグザグで実際の道のりが直線距離よりも遥かに長いため、なかなか近づいてくれない。

そして、頂上に近づくにつれて、富士登山最大の難敵が顔を出してきた。

酸素が薄くなってきているのである。歩くペースは何とか維持できているものの、これまでと比べ、明らかに息苦しくなってきた。

8時2分、赤岩八合館に到着。名前に「八合」とあるが、実際には八合目ではなく、その1つ手前の七合九勺(海抜3300m)である。

御殿場ルート七合九勺 赤岩八合館
御殿場ルート七合九勺 赤岩八合館

ここは昨年、御殿場ルートの下山道を下りた時に朝食を頂いた山小屋だ。その時は山小屋の中に入れさせて頂いたが、今回は食事をする訳ではないので、山小屋前のベンチで休憩をとる。

酸素が薄くなってきたと同時に、もう1つの富士山の難敵が既に顔を出していた。寒さである。

標高が100m高くなると0.6度気温が下がるという。ここまで900m登ってきたので、気温は5.4℃下がっていることになる。

既に持ってきた装備は全て身に着けていたが、それでも寒さは服を超えて肌に伝わってくる。

「甘酒お願いします」

私は山小屋で、一番体が温まりそうな甘酒を注文した。おかげで少し、内側から体を温めることができたが、どこまで効果が続いてくれるだろうか。

七合九勺でも28分間と30分近い休憩をとって、8時30分、出発。

ここから先は、一切山小屋や休憩所は無い。ひたすら頂上まで歩くのみだ。

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