バス憧れの大地へ

富士山

富士登山記 プリンス、吉田ルート登山(2019年7月)

富士宮五合目(2)

2019年7月12日

この日は富士宮五合目の五合目レストハウスで宿泊して、明日早朝から登山に挑む予定だ。

このレストハウスは1階が土産物などの売店に、地下1階が食堂になっている。売店で宿泊の予約をしていた旨を伝えると、地下の食堂に案内された。

食事スペースの横に、カーテンで入り口を仕切られた8畳ほどの部屋が2つあり、そこが宿泊スペースだった。そのそれぞれに最大で10人分ずつ布団を敷いて雑魚寝する形になるが、この日の宿泊客は8人。私に割り当てられた部屋は私と他の男性2人組の3人だけで、広々と使うことができた。
五合目レストハウス
五合目レストハウス

ここで1泊して、明日の朝登山開始という計画だが、その計画は大雑把に言うと、

6時30分 五合目出発

プリンスルートを登山

14時頃 頂上着

16時30分頃 お鉢巡り完了

山頂の山小屋泊

翌5時頃 下山開始

というものだった。

出発時間を6時30分に設定したのは、ここのレストハウスの朝食が6時開始ということのため。

山頂泊の計画にしたのは、絶対外したくなかったお鉢巡り(富士山頂をぐるりと1周回ること)をやった場合、このスケジュールで日帰りで下山すると帰りのバスに間に合いそうにないためだった。ただ、気になっていたのは2日目午前の天気だった。どうやらやや強い雨が降るようだったので、できれば天気がいいとの予報になっている1日目のうちに下山したいところだったのだが...

(山頂で御来光を、という気持ちも少しあったが、これは既に2度実現していて、自分的にはお鉢巡りに比べれば優先度が低くなっていたので、これは場合によっては外してもいいと思っていた)

五合目レストハウスの食堂
五合目レストハウスの食堂
夕食の富士山カレー
夕食の富士山カレー

レストハウスの夕食の方も時間が決まっていて、18時がラストオーダー。あれこれメニューが貼られているが、宿泊者の夕食はカレーと決まっているらしい。出てきたカレーは、ご飯が富士山型に盛られた「富士山カレー」だった。

カレーを待ちながら食堂のおばちゃんと朝食のことを話していると、こんなことを言われた。

「朝早く出る方には、朝食ではなく(前日に)おにぎりを渡しますよ」

そうか――

そういうことができるのか!

それなら、予定を2時間早めたらどうなるだろう?

4時30分 五合目出発

プリンスルートを登山

12時頃 頂上着

14時30分頃 お鉢巡り完了、下山開始

これなら、帰りのバスに十分間に合うぞ! 幸い、帰りのバスチケットはどの登山口でも使えることだし。

山頂の山小屋に電話できるのは18時まで。私はその時間まであと30分というタイミングで決断し、山小屋に電話して翌日の宿泊をキャンセルさせていただき、食堂のおばちゃんにおにぎりをお願いした。
夕陽に染まる富士山の雲海
夕陽に染まる富士山の雲海

そして、富士山五合目から見下ろす雲海が、夕陽に染まっていく。

[頼む、この天気、もってくれ]

私は再びそう願いながら、明日の登山の最終準備を済ませ、20時頃、就寝した。

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