須走ルート新六合目―本七合目
2018年7月25日
午前4時半前。かなり早い時間だが、目が覚めてしまった。他の皆さんに気を遣いながら、表に出てみる。
まだ空は濃紺の夜空だったが、富士山のシルエットは夜空に浮かぶようにしてしっかりと見える。
夜空に青く浮かぶ富士山のシルエット
他の皆さんも起きてきて、まだ暗い新六合目の表に出る――いや、「まだ暗い」から、少しずつ東の空がほの明るくなってきた。
そして、ほぼちょうど午前5時...
今回の登山初の御来光
雲海の上に、日の出――いわゆる「御来光」である。下界を覆う雲の上に出ているので、下界より10分ほど遅い日の出となっている。
富士山が山肌から山頂までくっきりと見えていることや、新六合目で御来光を拝むことができたことを考えると、今回の登山は天気に恵まれていると言ってよさそうだ。
山小屋で朝食を頂いた後、午前6時19分、新六合目(標高2450m)を出発。須走ルートを歩くこの日の登山をスタートさせた。
まだ少しだけ人の背丈よりも高い木々が茂る場所が残っていたが、やがてそこも抜け、膝下程度の低木や草花だけが育つ山肌に出る。
その向こうに見えるのが、富士山頂。登っている間にこれだけすっきりと見えると、気分が良く、テンションも上がる。見えるタイミングによって様々な表情を見せる富士山だが、この日の富士山は私たちに「どうぞいらっしゃい」とい誘いかけ、微笑んでいるようにも思われた。
この日の登山者に微笑みかけているようにも見えた
午前7時1分、六合目の山小屋・瀬戸館(標高2620m)に到着。標準コースタイムが30分なので、かなりゆったり目に歩いたことになる。
ここで一旦、山小屋の軒先にザックを下ろし、皆で裏手に回る。
実は今回のツアー、富士山に点在する信仰の痕跡を巡るというテーマもあり、この山小屋の近くに目的の場所の1つがあったのだ。
六合目の山小屋・瀬戸館。この裏手に「富士山東口胎内神社」がある
看板の指示に従って進むと、木の鳥居の奥に、人1人が這いつくばって何とか入れるほどの(体重100kg級の体格のいい人だと無理そう)小さな洞窟の入り口がある。1人ずつ、這いつくばって入り口をすり抜けると、中は結構広々としていた。まさしく「胎内」である。
一番奥の方に、祠があった。ここに祀られているのは「玉與理比賣命」という名の神様だという。
参詣を終えて、午前7時45分、再び登山開始。
山道は前へ進むたびに険しく、無骨になっていくが、そんな中で鮮やかに、可愛らしく花を咲かせる高山植物が目と心の保養になってくれる。
これぞ「紅一点」。クルマユリが咲いている
イタドリが咲く登山道
ほぼ標準コースタイムの1時間2分をかけて、七合目の山小屋・大陽館(標高2920m)に到着。ここで20分間休憩して、午前9時3分、登山再開。
出発して間もなく、標高3000を超える。
午前9時43分、本七合目の山小屋・見晴館(標高3140m)に到着。標準コースタイムが30分なので、この区間も割とゆったり目の歩みだったことになる。
ここでも20分強休憩して、お汁粉など頂いてエネルギーを補給する。
本七合目の見晴館
お汁粉でエネルギー補給
ようやくここで、(標高ベースで)本日朝の出発から山頂までの半分を通過。ここから先が、後半戦だ。
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