バス憧れの大地へ

富士山

富士登山記 須走、御殿場ルート登山(2018年7月)

須走登山口―新六合目

2018年7月24日

午後0時14分、御殿場駅に到着。コンビニのそば弁当を大急ぎでかき込んだ私は、0時35分のバスに乗り込んで富士山の須走登山口へと向かった。

一昨年昨年に続いて3年連続の富士登山チャレンジである。昨年は単独で登ったが、今回は一昨年も一緒に登ったカワカブ会の皆さんと、途中から一緒である。
「途中から」というのは、今回の登山、私は部分参加なのだ。全体スケジュールは7月23日朝に精進湖を出発して青木ヶ原樹海を抜け、24日は御中道という富士講信者の修行に使われた道を歩いて須走新六合目まで歩き、25日に須走ルートで登頂を目指して26日に御殿場ルートを下山するという、前泊も含めると4泊5日にもなるものだった。会社勤めの私は全日程参加できるほど休みが取れなかったので後半のみの参加としたのである。(御中道も興味があったのだが、私はまだ富士山に足をかけて登頂を目指さずにいられるほど富士登頂に飽きてはいなかったのだ)

バスは1時間ほどで登山口に到着。生憎の曇り空だが、登山に支障は無い。
暫く休んで呼吸を整え、登山中のリーダー・小林さんに携帯電話で連絡を取る。
「今から登ろうと思います」
そして準備が整ったところで、ザックを背負って登山道入り口へ。ここで富士山保全協力金1000円を支払う。世界遺産である日本一の山を登らせていただけるのだ。1000円ならむしろ安いくらいだ。喜んで支払わせていただいた。

午後3時。いざ、登山開始。
いざ登山開始
いざ登山開始

後半からの参加者は私だけなので、合流地点の六合目までは単独登山となる。
なので、誰に合わせる必要もなく自分のペースで歩くことができる。今日は五合目から新六合目まで登ればいいだけなので、ここはマイペース且つハイペースで歩いてみることにした。

他のルートがスタート地点で既に森林限界を超えているのに対し、須走ルートは暫く森のなかの道を歩く。しかし、下山道との合流地点を少し過ぎた辺りから、次第に木々が低くなっていくのがわかる。
明らかに、植生が変わりつつあった。
暫くは森の中を歩く
暫くは森の中を歩く
次第に木々が低くなっていく
次第に木々が低くなっていく

そして、歩き始めて40分。遂に森を抜けて開けた道に出た。ここからは樹木はほぼ無く、低木や草花しか生えていない。
森林限界を超えたのだ。

同時に、空一面に広がっていた雲に少し切れ目ができて青空が顔を出し始め、富士山の裾野も部分的に見えるようになってきた。
と思っていたら、雲の流れが思いの外速い。3分後に再び上へ目を向けると――富士山の山頂が目の前にそびえているではないか!
更に10分後には、まばゆい太陽も顔を出し、青空の下にすっきりと富士山が見えるまでになっていた。
太陽と青空の下、富士山がすっきりと見えた
太陽と青空の下、富士山がすっきりと見えた

一昨年は雨の中の登山、昨年は登頂した後の翌朝ようやく雲が晴れていたので、登山中にこれだけくっきりと富士山を見ることができたのは初めてだった。今回は天気に恵まれた登山になりそうだ。

それにしても、普段ランニングで心肺は鍛えているとはいえ、さすがに心拍数が上がる。それはそうだ。スタート地点で既に海抜ほぼ2000mの高地なのだから。今回は心拍数を測ることができるランナーズウォッチを手首にして臨んだが、時折最大心拍数に迫る180回/分まで上昇していた。

そして、標準コースタイム60分のルートを歩き切り、新六合目(海抜2450m)に到着。所要時間は55分30秒――コースタイム内の、まずまずなペースで歩くことができた。
新六合目の長田山荘
新六合目の長田山荘

本日はここにある山小屋・長田山荘で1泊。
ここでカワカブ会の皆さんと合流する予定だが、まだ到着していないようだ。宿のご主人に道を教えてもらい、ザックを下ろして迎えに行くことにした。

吉田口六合目から続くその古道は、シャクナゲの群生地でもあった。生憎ピークは過ぎていたが、時折きれいな花が少し疲れた私の目を楽しませ、心を癒やしてくれた。
シャクナゲの花
シャクナゲの花

やがて、見覚えのある面々が細い山道を登ってきた。ここで、カワカブ会の皆さんと合流だ。

全員揃って宿に到着。歓談・食事・翌日の活動の確認をして夜を待ち、就寝。
長田山荘の寝床
長田山荘の寝床

ここで一晩寝ることで高地順応して、明日はいよいよ日登頂を目指すことになる。

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