九合目―山頂
2017年9月8日
15時17分に九合目を出発。歩き始めの頃はまだ遠くが曇っているように見えたが、この区間を歩いているうちに次第に自分のすぐ周りが霞んで見えるようになってきた。最後のチェックポイントである九合五勺(標高3550m)には15時44分に到着。山小屋は一応営業していたようだったが、中で休むことはできず、表で休憩をとった。
富士宮ルートの九合五勺一瞬、雲の切れ目から日が差してきた。すると、それが霧の粒子とコラボして、うっすらと虹が山肌から立った。この日の登りは天気がいまひとつ(昨年の悪天候に比べれば遥かにマシだが)だったが、この一瞬はそんな中で、空から一番のプレゼントを貰えた瞬間だった。
富士の山肌に虹が立った16時1分、九合五勺を出発。後は山頂を目指すばかりだ。頂上の山小屋にチェックインする一応のタイムリミットは18時だが、この分だと全く問題なさそうである。
山頂に向かう道登山道はよく整備されているが、道の境界に張られてるロープの外はますます岩がちになっていく。山頂に近づくと落石防止のための柵が設けられていたりして、自然の厳しさを実感させられる。
霧はますます濃くなり、気温はますます低くなっていく。さすがに先ほどの休憩時に、私は最後の重ね着アイテムであるインナージャケットを着こんで、最後の区間に臨んでいた。
そして、酸素もますます薄くなっていく。時間に余裕があったので、私はしっかりと呼吸をとりながら、着実に一歩一歩を踏みしめていった。
山頂が見えてきたそして、最後の階段の向こうに白鳥居が見えてくる。あの鳥居は昨年、山頂から見た覚えがある。あれを越えれば、そこに見えるのは山頂だ。
そして、16時39分...
無事、富士山頂に到着
登頂!!(標高3740m)
この区間は50分を予定していたが、着実に登っていたつもりだったにもかかわらず、実際の所要時間は38分。苦しみながらも結構いいペースで歩くことができた。今回は単独登山で若干恐る恐るの出発だったが、問題なく登頂達成。初の富士登山だった上に悪天候に体力をそがれた昨年に比べればかなり余裕を持って登ることができ、標準タイム5時間半と言われるルートを僅か4時間(いずれも休憩時間除く)で登り切ることができた。
この日は富士宮ルート終点にある、昨年も泊まった頂上富士館に宿泊。事前に電話を架けた時には「6時までには着くようにして下さい」と言われていたが、余裕のチェックイン。布団がずらりと並べられた部屋で少し休んだ後、17時すぎ、カレーの夕食を頂く。
頂上富士館の客室
カレーの夕食山小屋は早寝早起きが基本。19時には消灯となった。
しかし私は、高山病の症状が未だに抜けきらなく、床に就いても呼吸が荒いままでなかなか寝付けない。枕元に水のペットボトルを備えて時折給水しながら呼吸を整えることを心掛けていたら、いつの間にか乗り切ったようで、ようやく眠りに就くことができた。
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