バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

台湾西岸(2012~2013年)

台中-1 ~台湾で初詣

今更ながらだが、駅前というのはやはり便利なロケーションだ。鉄道の他にも、長距離バスという便利な交通手段を歩いてすぐに利用することができる。取りあえずは台北を離れて他の場所へ移ろうと考えていた私は、駅近くのバスターミナルから長距離バスで台中を目指すことにした。
台中駅
どこか日本的な趣のある台中駅
台北から台中へはものの3時間弱で行き着くことができる。到着したのはやはり駅前。台中駅の駅舎はレンガ造りで、どこか日本的な趣がある。
私はやはり駅前にあるホテルを今日1日の宿に決め、1日限りの台中巡りに出かけた。

折しもこの日は元日。日本人であり仏教徒である私としては、どこかの寺で初詣といきたいところだが、そこはさすがに日本同様仏教が根付いている国・台湾だ。そんな願望を満たすのに打ってつけの場所が台中にもある。
台中駅からバスでその最寄り停留所に到着し、いざ初詣へ――と思ったのだが、下りた場所に食堂があったのを見つけたところで昼食がまだだったことを思い出した。メニューを見ると、「擔仔麺」という文字がある。これは確か、エビ1匹が丸ごと入った海鮮麺だったな、と思いだしてそれを注文したのだが、出されたものを見ると、エビが入っていない。
「あれ?エビは…」
私は手持ちの本にあった写真を見せて店員さんに聞いてみた。
「うーん、この辺の擔仔麺はそんな風じゃないね」
その本によるとどうやら、エビが丸ごと入った擔仔麺は台南の名物なのだそうだ。ということは、もう少し南に下らないとこの麺料理にはお目にかかれないようである。
宝覚寺の黄金大仏
宝覚寺の黄金大仏
孔子廟
孔子廟

さて、腹ごしらえを終えたところで、今度こそ初詣だ。
台中で仏教寺院といえば、宝覚寺である。ここでは、寺院の外からもはっきりと見ることができる黄金の大仏が一際存在感を放っている。体全体が金ピカであると同時に、頭がつるピカなので、仏様ではなく僧侶なのかとも思われたが、立派な弥勒菩薩様だ。表情も、柔和というよりも満面の笑みの好好爺といった感じで、私たち日本人が見慣れている仏様とも、チベット仏教の仏様とも趣を異にしている。“奔放”“豪快”――そんな言葉がしっくりくるような、ちょっと型破りな印象のある仏様だった。
境内の片隅で、日本との意外な繋がりを発見した。第2次大戦時に台湾で命を落とした日本兵、そして日本兵として命を落とした台湾人の慰霊碑が設置されているのである。台湾の近くにある民度の低い某地域では(戦争関連ではないが)慰霊碑の犠牲者名に傷をつけるという野蛮極まりない行為が行われたりしていたが、この国の人々はそういうことはせずにしっかりと慰霊をしてくれる理知的な国民性を有しているようだ。
それにしても、やはり台湾では旧正月が本番であるためか、元日だというのに参拝者はまばらだった。

もう一か所、宝覚寺から歩いて行ける場所を訪れた。孔子廟――言わずと知れた、孔子とその弟子を祀った施設である。とはいえ、彼らは神様でも仏様でもなく、この施設も宗教施設ではない。従って、これは“初詣”のうちには入らないだろうが、まあ天神をお参りしたつもりにでもしておこう。

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