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世界への旅(旅行記)

ギリシャ、カタール、香港

イラクリオン・3 ~考古学博物館、エーゲ海、アギオス・ミナス大聖堂

イラクリオンに戻って真っ先に、今度こそ3度目の正直で考古学博物館を訪れる。
幾何学的な文様や生物の姿が描かれた土器、金細工、動物や人の姿を象徴的に再現した小さな人形や人の姿をリアルに再現した彫像など、古代クレタ文明の高度な文明を物語る数々の所蔵品が展示されている。

考古学博物館の展示 考古学博物館の展示
考古学博物館の展示

しかし、規模がクレタ歴史博物館よりも小さく、目玉と言えるような目を引く展示品も無く、展示方法もただ並べているだけという単調な印象を受け、期待していたほどの感銘は抱けなかった。
真っ青なエーゲ海
真っ青なエーゲ海

朝よりも更に空が晴れている。海の景色も更に良くなっているだろうと、飽きもせずに海辺に出て、カフェで苦いギリシャコーヒーを飲みながらエーゲ海を眺める。
期待していた以上に深いブルーの海が目の前に広がっている。朝同様、波はかなり激しいが、白い波吹雪が海の青に映えて、やはり美しい色彩を産み出している。
ここ最近、海外で海を見ると毎回思うことだが、この海もやはり日本へと繋がっているのである。とはいえ、エーゲ海から日本へとなると、スエズ運河を経由して最短距離を辿ったとしても、紅海、インド、インドネシア、フィリピンをぐるりと経ることになる。飛行機であっという間に到着することができたので余り実感していなかったが、思えば遠くまで来たものだ、とこの時初めて思った。
聖ミナス大聖堂
聖ミナス教会(左)と聖ミナス大聖堂(右)

その後はあても無く25アウグストゥス通り近辺をぶらぶらとしていたが、船の出航時間まではまだかなりある。何か目的を見つけないと間が持たない。ガイド本の地図を見てようやく目的を見つけ、南の方へと足を向けた。
辿りついたのは、聖ミナス大聖堂。独立後の19世紀に創建されたクレタ島で最大の教会であり、左隣にはそれよりも小さめな15世紀創建の聖ミナス教会が建っている。
聖ミナス大聖堂内部
聖ミナス大聖堂内部
表からみると3階建てのように見えるが、礼拝堂の中に入ると吹き抜けになっていて天井が高い。その天井とそれに続く壁には聖書の一場面を再現したイコン(聖像)が描かれ、天井の中央からは大きなシャンデリアが吊るされている。
欧米のキリスト教文化圏を訪れるのは初めてであるものの、旅先で教会を訪れたことはこれまでもあった。しかし、やはり本場は違う。荘厳な雰囲気に身と心が引き締まる思いがした。とりわけイコンの色彩と緻密さにはうならされるばかりである。
私は異教徒であるが、この教会の荘厳さに心を奪われ、また神聖な場所に対して敬意を払おうという思いから、気がつけば手を組んで祈りを捧げていた。

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