バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第8部 カンボジア、ベトナム、ラオス

アンコール・トム ~レリーフに彩られた城塞

2007年10月21日

昨日のアンコール・ワット訪問の興奮も冷めぬまま起床。この日も自転車でシェムリアップの街を出発する。
自転車を走らせていくうちに、昨日と同じようにアンコール・ワットが見えてくる。しかし、今日はここを素通りして先へと進む。
この日の目標は、アンコール・ワットの北にある城砦都市遺跡アンコール・トムだ。

アンコール遺跡群のイメージといえばいろいろなものが浮かぶだろうが、柱や塔などに人の顔(観世菩薩との説が強い)が大きく彫り込まれている図を思い浮かべる方も少なくないだろう。
プノン・バケン
プノン・バケン
アンコール・ワットから北へ進み、まずは小山の頂上にあるプノン・バケンという遺跡を訪れる。ここからは、アンコールを一望することができる。
ここから更に進むとアンコール・トムの南大門に行き着くが、そこで突如として、門の上に大きく掘り込まれた人面が訪問者を迎える。
そこから城内に入り、何も無い道を暫く北上していくと、またしても突如として、大規模な寺院に行き当たる。バイヨンと呼ばれる仏教・ヒンドゥー寺院だが、そこに入ってみると、数え切れないほどの人面が塔に、柱に刻まれている。中でも柱の四面に人面が彫り込まれている四面像が有名だ。
バイヨン
バイヨン
上述の通り、この人面は観世菩薩のものといわれている。それだけに私には、この遺跡に安らぎと神聖さが感じられた。インパクトもアンコール・ワットの神殿を更に上回る印象で、現段階ではアンコール遺跡の中でもナンバー・ワンだ。

最初にも書いたように、アンコール・トムは城砦都市遺跡である。即ち、かつての王宮もここにあったという訳である。
王宮そのものは、木造であったことから他の石造りの建造物のように現存せず、王宮跡を歩いていてもかつての王家の華やかな御殿を偲ぶことはできない。しかし、城壁跡からその規模の大きさははっきりと分かるし、入り口前に長く延びているテラス、中央に建てられた王宮寺院ピミアナカスなどからその様子をある程度は想像することができる。

王宮前に伸びるテラス
王宮前に伸びるテラス
ピミアナカス
ピミアナカス

前回も書いたが、アンコール遺跡では建造物そのものと並んで、それに刻まれたレリーフも見事である。バイヨンの人面像はその特大版といったところだが、それ以外にも大小取り交ぜさまざまなレリーフが刻まれている。
ライ王のテラス
ライ王のテラス
バイヨン、ピミアナカスなどの寺院の壁面に描かれた神々や神話のレリーフ、王室の様子を描いたレリーフ、「象のテラス」に刻まれた象のレリーフなども見事だが、私の心を一番惹きつけたのは、「ライ王のテラス」の壁面だった。高さ約6mの壁面が6段に分かれていて、その一段一段に神や阿修羅が細かいタッチで無数に刻まれている。その不思議な雰囲気と細やかな美しさに、知らず知らずのうちに引き込まれてしまっていた。

その他には、クリアンプリア・ピトゥ(仏教)、プリア・パリライ(ヒンドゥー教)などを訪れる。
プリア・ピトゥ
プリア・ピトゥ
地図を見ているだけでその広さが分かるアンコール・トムだが、遺跡は意外にも中央部に集中している。それでも一通り見終える頃には夕方近くになっていた。写真を撮りすぎてバッテリーが切れてしまったこともあって、この日はアンコール・トムだけ巡って引き返すことにした。

それにしても、これだけの距離を自転車で往復するとさすがに体力を消耗してしまう。
だが、アンコール・トムの更に向こうにも遺跡はあるのだ。これらも自転車で回るのは体力的にも時間的にもちょっと厳しい。
と、手元のガイド本を見ると、電動自転車のレンタルが行われているという情報を見つけた。アンコール・トム東側を回る時にでも使ってみようか。

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